ダイエットや筋トレをしている人にとって「有酸素運動」「無酸素運動」という単語は身近に感じられるのではないでしょうか?減量目的であれば一般的に有酸素運動が重要とされていますが、効率的に脂肪を燃焼させるには無酸素運動もしっかり行っておくことが大切です。
健康維持を目指している方も普段から無酸素運動に取り組んでおくと、基礎代謝の向上や姿勢改善などの効果が期待できます。
この記事では、運動初心者の方向けに無酸素運動に関する基礎知識とおすすめのメニューをご紹介します。
【目次】
1.無酸素運動とは
無酸素運動とは
有酸素運動と無酸素運動の違い
無酸素運動とダイエット
無酸素運動の健康効果
2.【無酸素運動】健康維持におすすめの筋トレ
健康維持には下半身の筋トレがおすすめ
おすすめメニュー:椅子を使って片足スクワット
3.【無酸素運動】ダイエットにおすすめの筋トレ
下半身やせ:ランジ
お腹やせ:プランク
バストアップ:プッシュアップ
4.【無酸素運動】効率よく鍛えるならジムトレ
おなか痩せ:アブドミナルクランチ
二の腕やせ:ダンベルキックバック
5.まとめ
「有酸素運動」は運動に馴染みがない方でも聞いたことがあるかと思いますが、「無酸素運動」という言葉はそこまで認知度が高くないので意味がよく分からないまま使われることもしばしばあります。
中には「無酸素運動だから息を止めなければならない」と勘違いしたままトレーニングしてしまう人もいるようですが、実際はそうではありません。どんな効果をもたらす運動なのか改めて理解しておきましょう。
文字通り酸素を使用せずにエネルギーを生成する運動のことで、筋トレや短距離走などが無酸素運動にあたります。あくまで運動のためのエネルギーに酸素をほとんど使わないという意味で、呼吸を止めなければいけないわけではありません。
無酸素運動を行うことにより、筋力の向上・筋肉量を増やしたり心肺機能を強くしたりといった効果が期待できます。
長距離走などの「有酸素運動」は酸素を使用して行う継続的な運動、「無酸素運動」は酸素を使用せず短時間で行う強度の高い運動を指します。
有酸素運動は筋肉を動かすエネルギー源として脂肪(脂肪酸)を消費するので、体脂肪の減少や高血圧の解消などに効果があります。有酸素運動がダイエットに最適だと言われているのはそれゆえです。
無酸素運動はダイエットに効果がないと言われることもありますが、実際は違います。
有酸素運動はたしかに脂肪を燃やすはたらきを持っていますが、有酸素運動による脂肪燃焼効果を高めるためには無酸素運動が必要です。無酸素運動を行うことによって基礎代謝がアップし、体脂肪を燃焼しやすくなります。
また、激しく息が上がるような強度の高い無酸素運動を行うと、運動後24~72時間程度カロリー消費が持続する「アフターバーン効果」が起こることがあります。かなり負荷がかけることで得られる効果なので体力に自信がないひとにはおすすめできませんが、十分な運動習慣がつけば無酸素運動でも一定のダイエット効果を得ることができます。
無酸素運動は健康維持にも大きな効果があります。無酸素運動によって基礎代謝が向上すると免疫力が強くなるので、風邪をひきにくい丈夫な体になります。
無酸素運動は肺に高い負荷がかかるため、習慣をつけて体を慣らすことで心肺機能がアップします。鍛える部位にもよりますが、大きい筋肉を強くすることで体全体を支えるパワーが付き、姿勢もよくなっていきます。
年齢を重ねると基礎代謝が落ちて免疫機能が低下していき、肥満や生活習慣病のリスクも高まります。基礎代謝を高めて健康を維持するには軽めの無酸素運動、つまり負荷が軽い筋トレから始めてみるとよいでしょう。
健康維持のために筋トレで優先的に行いたいのが太もも、お尻など下半身の筋トレです。下肢の筋肉は手や腕の筋肉と比べて筋肉量が低下するスピードが速いので、年を重ねると真っ先に衰えていきます。
太ももやお尻の筋肉は体全体を支える役割を持っているので、鍛えることで腰痛改善にもつながります。
もちろん普通のスクワットでも問題ありませんが、きついと感じる場合は椅子を使って片足でトレーニングするのがおすすめです。
・椅子を正面に足をできるだけ大きく開いて立つ
・つま先は外側に開き、足を伸ばした状態で手を椅子の上に置く
・片足をまっすぐ伸ばしたままお尻を下げてもう片方の膝を直角くらいまで曲げる
・10秒キープ
・曲げていた足をゆっくり伸ばしてお尻を上げて元に戻る
→左右10回×3セット
猫背にならないよう注意してください。曲げている膝が内側に寄らないよう、太ももの内側に片手を添えても構いません。
基礎代謝を上げることで脂肪燃焼しやすい身体になりますので、前述の通り有酸素運動と並行して行うのがおすすめです。
痩せたい部位に合わせてメニューを決めるとよいでしょう。筋肉を回復させる時間を作るため、毎日ではなく2~3日に1回行うのがベストです。
・足を肩幅より大きく前後に開く。手は腰に当てる
・上体をまっすぐにしたまま股関節とひざを曲げていく
・前ひざを90度まで曲げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る
→10回×3セット
・うつ伏せに寝転がる
・前腕・肘・つま先を地面につけて腰を起こしてキープ
→30秒×3セット
腰が高すぎたり低すぎたりしないよう注意しましょう。
・うつ伏せになり肩幅より少し広い位置に手をつく
・肘を曲げてゆっくり上体を下げる
・胸が床につくギリギリになったら元に戻る
→15回×3セット
首から足までが一直線になるように意識しましょう。筋力に自信がない人は膝をついても大丈夫です。
家で出来る自重トレーニングは手軽ですが、フィットネスジムの方が自分に合った負荷で効率的に鍛えられます。
出典:フィットネスクラブ レスポ
・マシンに座り、足をプレートの中央に置いた状態で膝が直角になるようシートを調整
・バーを握ってゆっくり膝を伸ばす
・膝を伸ばしきる直前の状態で止まり、ゆっくり元に戻す
→10回×3セット
膝を伸ばしながら息を吸い、曲げながら息を吐くのがポイントです。
出典:フィットネスクラブ レスポ
・マシンに座り、肘が直角になるようバーを握る
・バーを持ったまま上体を倒す
→10回×3セット
自分に合った重量で行いましょう。おへそを意識して背中を丸めるのがポイント。
出典:フィットネスクラブ レスポ
・ベンチに片手片膝をつく。もう片方の手でダンベルを握り、肘から先が地面と垂直にした状態に
・ダンベルを持った手を後ろに伸ばしていく
・腕がまっすぐになったらゆっくり元に戻す
→10回×3セット
脇を締めた状態で肘を固定するのがコツです。
健康維持・ダイエットには筋トレなどの無酸素運動を取り入れるとよいでしょう。
有酸素運動と組み合わせて取り組むことで脂肪燃焼の効果がアップします。体力づくり、スタイルアップなど自分の目標に合ったメニューを取り入れてみてください。