運動不足は健康の敵。年を重ねるごとに運動の重要性は上がっていきます。
自宅で運動すると続かない、効率的に運動したいという方にはフィットネスジムが最適です。ジムは体を鍛えたい人が行くところで、体力がない人が行くと恥ずかしい思いをする…と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、意外とたくさん初心者も通っています。
フィットネスジムは運動メニューを一緒に考えてくれるスタッフもいるので、健康維持を目指すシニアにも最適な場所です。この記事では、シニア世代がジムに通うメリットや体力に自信がなくても通いやすいジムの特徴をご紹介します。
【目次】
1.高齢者がフィットネスジムに通うメリット
健康リスクを低減させる
睡眠の質が高まる
人と関わるきっかけになる
2.初心者シニアにおすすめなジムの特徴
専門トレーナーがついている
高齢者向けのプログラム・器具がある
自宅から近い
3.高齢者・シニア世代がフィットネスジムで運動するときの注意点
ケガに気をつける
持病がある場合は主治医に相談
無理のないメニューから始める
4.まとめ
高齢者がフィットネスジムに通うメリットは複数あります。具体的に見ていきましょう。
生活習慣病をはじめとする健康リスクの低減には定期的な運動が重要です。有酸素運動、筋トレやバランス運動などさまざまな要素を組み合わせて運動を行うと転倒リスクが減少するほか、有酸素運動は認知機能の低下を予防する可能性があることが研究によって明らかになっています。
また、研究によれば運動は満足感やリフレッシュ効果をもたらし、ストレスを軽減する効果もあるそうです。WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、運動はうつや不安の症状が軽減されるとともに、思考力、学習力、総合的な幸福感を高められるとしています。
健康リスクを減らすために、厚生労働省では週3日以上のマルチコンポーネント運動(有酸素運動、筋トレやバランス運動などを組み合わせて実施するプログラム)を行うことが65歳以上の高齢者に推奨されています。
フィットネスジムはさまざまな種類の運動を行うための設備が整っているため、定期的に運動して健康を保つ運動習慣をつけるには最適な場所だと言えるでしょう。
歳を重ねるにつれて不眠に悩む方が増えますが、定期的な運動習慣のある人は不眠傾向が少ないことが分かっています。
特に睡眠の質向上に貢献するのは有酸素運動です。ランニングマシン、バイクマシンなどを利用して程よく有酸素運動を行うことで、寝つきが良くなり深い睡眠を得られるでしょう。
「運動する」だけなら家で運動しても同じ効果を得ることができますが、人と関わるきっかけを持てるのはフィットネスジムならではのメリットです。人との交流が少ないと認知症になる可能性が高まることは複数の研究で明らかになっていますが、歳を重ねて人と話す機会が減ってしまう方も少なくありません。
定期的に通うことでジムが一つのコミュニティになり、自然と会話する友達ができることも多いです。
特にグループレッスンがあるタイプのフィットネスジムは友人を作りやすいでしょう。認知機能の維持もかねて誰かとコミュニケーションをとりたいという方は、グループ形式でのレッスン・プログラムがあるジムが最適です。
最初は一人で来る方も多いため、周りに知り合いがおらず、誰かとしゃべる機会が少ないという人にもおすすめできます。
「あまり運動しておらずジムに通うのが不安」という方でも通いやすいジムの特徴をご紹介します。
宅トレや無人形式のジムはやり方やメニュー量などの相談に乗ってくれる人がおらず、誤った方法でトレーニングしてケガをしてしまう可能性があります。
特に腰痛やひざの痛みなどがある方、体調不良を起こしやすい方は常駐トレーナーがいるジムを選んで十分な指導を受けることをおすすめします。
水中プログラムは水の抵抗によって負荷量が調整できるので、体力や筋力に自信がない方、腰やひざに痛みがある方にもおすすめです。自分の体力に合わせて適切なプログラムを選べるフィットネスジムがよいでしょう。
マシントレーニングを行う場合も、負荷の低い器具があるかどうかチェックしてみてください。
雰囲気やプログラムの内容ももちろん大事ですが、自宅からすぐ行けるかも重要です。
特に移動範囲が狭くなってきたと感じる方は、遠くのジムへ行くのを負担に感じる可能性が高いでしょう。行きづらくならないよう、アクセス重視でジムを選ぶのも一つの手です。
高齢者・シニア世代は若年層と比較すると注意すべき点が増えてきます。特に持病があったり体調に不安があったりする人は念入りに確認しながら運動に取り組みましょう。
健康維持目的で運動しているはずが、トレーニング中にケガをして健康を損なってしまっては本末転倒です。
高齢者は骨粗しょう症やフレイルになりやすく、骨折リスクが高まるので特に注意が必要になります。器具を間違って使ったり、負荷をかけすぎたりしないよう気を付けましょう。
また、熱中症でふらついて倒れることのないよう水分補給や休憩の時間をこまめにとることも大切です。
持病によっては運動量や内容に制限をかけなければならない場合もあります。
持病があって通院しているという方は、念のため主治医に確認を取ってからジム通いを始めるのが安全です。
「体力がないから」と焦ってきつい筋力トレーニングをする必要はなく、運動習慣をつけて少しずつ安全に筋力をつけていけば問題ありません。今よりも少し運動量を増やすだけでも健康リスクは減少します。
有酸素運動と筋力トレーニング、バランス運動をバランスよく取り入れつつ、慣れてきたら負荷を上げて筋力をつけていきましょう。
筋力トレーニングは筋肉を回復させるために週2~3回程度に抑えるのもポイントです。毎日たくさんやるのではなく、続けられる量を継続的に行うよう意識してください。
健康に長生きするためにもフィットネスジムで定期的な運動を行うことをおすすめします。
特に運動する習慣がないという方は週に何回か通って少しずつ体力をつけるところからはじめてみましょう。普段動くのがつらく感じるという方でも、負荷を抑えるメニューを取り入れることで安全に運動することができます。